【モンハンワイルズ】最低と最高が入り混じる最新作【プレイ感想】

ゲーム
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だいぶ時間も経ちましたし、普通に好きなタイトルではあるんですが、率直な感想は書いておこうと思って書き出しました。

あくまで批評・レビューではなく個人の感想です。

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管理人のスペックと、現況

とりあえず初代モンハンから触ってはいます。大剣の中に「鉄刀」とかがあったりスティックで攻撃したりしてた、尖ってた時代ですね。リオレウスに惹かれてパッケージ買いして、今だと信じられないんですが、村クエのイャンクックにボコボコにされながら、どうにか村クエをクリアしていた少年時代でした。

本格的にやり始めたのはMH2GとTriからで、まぁまぁの古参勢です。

オフラインも友人とのオンラインも野良オンラインも好きです。ある日思い立って別キャラ作って一から遊ぶとかも平気でやります。全作品やってるわけではないですが、ナンバリング的なモノは一通り触ってます。

プレイ時間は、概ね作品にもよりけりですが「極端に短くて150時間ぐらい」~「数千時間」な感じです。

ワイルズに関してはプレイ時間は300時間ぐらい遊びました。なので「そこそこ遊んで満足したものの、普段の遊び方からするとかなり短めで、骨の髄まで遊んだとまでは、とても言えない」感じです。

今は無料アップデートが入ればそのクエストだけ触って、ちょいちょい遊んで終わって、というのを繰り返してます。元々モンハンは友人とのコミュニティを重視して遊んでいるわけでもなく、そこまでこのプレイスタイルの状況には失望は覚えていません。

今後来るFF14コラボのオメガはまぁ普通に楽しみにしていますが、合わなきゃやらんだろうな、ぐらいの温度感でいます。

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最初に、この記事のまとめ

各モンスターへの感想

  • 別枠で詳細書きます

最高だったこと

  • 主人公が喋ること(なんで「最高」と言えるのかは、後述)
  • キャラクリの「絵」の方向性
  • グラフィックの美麗さ
  • 狩猟のテンポの良さ・快適性

最低だったこと

  • クラッシュ関連(記載は程々にしてます。皆知ってると思うので)
  • UIの刷新がイマイチだった箇所があり、「友人と遊ぶ」という体験が過去最低だった
  • ボリューム不足。エンドコンテンツもそうだが、エンドコンテンツに至るまでも最薄
  • ストーリーを終えるまでの自由度の低さ
  • 食事シーン(※一部)
  • 「操作を全部教える気が無い」わりにバランスの基準は「操作を全部覚えている」こと
  • ヌシ釣りの仕様考えたやつは反省してほしい

こんな感じです。

モンスター関連の感想

ストーリー(上位)終了まで、全体を通しての感想

昨今の作品よりも更に、序盤~中盤のモンスターが簡単すぎて、ドシャグマとアジャラカンあたりが微妙に強さ跳ねており、ワイルズはシリーズ通してプレイした感想だとモンスターの難易度曲線としてはあんまりバランスが良い感じはしません。とは言え、初心者が初心者のままメインストーリーをクリアできるようになっている程、歴代で最も簡単で快適だと思います。

初心者向けだとダントツで遊びやすいとは思いますが、素材入手が非常に簡単になった事から、下位の段階で繰り返し遊ぶ要素がほぼ無く上位もストーリー進行しないと制約が多く遊び辛いので、ほとんどのモンスターが周回対象にならず通過点的になっているという問題が大きい印象です。
(代わりに躓きにくく、クリアまではしやすいと思います)

実質的に周回して討伐する価値があるモンスター種類数は歴代で最低です。それによって「初心者にクリアしてもらいやすい」のと同時に「初心者が下位~上位に向かって進むに伴うだけでは上達しにくい」少しいびつなデザインともいえると思います。
昨今、特にライズ~SBのデザインは「下位モンスターは体力が低い」と「周回して練習しやすい」と「それにより防具が揃いビルドが充実する」が成立しており、「どう操作してゴリ押しすればいいのかマッスルメモリーに馴染みやすい」というプレイヤー技量のアップグレードが自然と行える事も相まって、モンハンシリーズ経験者からすると良いレベルデザインだったと思うのですが、今作はそこから素材が入手しやすすぎて「周回して練習する」だけを除いたので、やや微妙な感じになってる気がした、という感じです。

ただしこれは”シリーズ経験者から考えるオレオレ難易度曲線(笑)”でしかなく、特にシリーズ経験が浅いプレイヤーが多い海外向けへの展開・戦略を考えると(後述するPC関連の問題を除けば)バランスや狩りに向かうまでのゲーム構造の単純さを含めて最高作と言っても過言ではないでしょう。

あとは余談程度ですが、「狂竜症」は今後の為の布石なのでしょうが、全然上手く使えている気がしませんでした。ここは残念です。

……等など、色々言いましたが、個々のモンスターについて詳しくは次の見出しへ。

各モンスターへの感想

こちらは、あくまでストーリー完了までの感想を記述しています。歴戦王などエンドコンテンツ的な部分は(ほぼ)別軸の話題になってしまうので、触れていません。

大前提として、全てのモンスター討伐は楽しむことが出来ました。

また、色々書いていますが「個人の感想と、改めて考え直した時の+α」ぐらいの温度感として読んでください。

名前感想
チャタカブラ傷口は狙いやすく、リーチは短く、攻撃予備動作が大きく、新規を意識したチュートリアルのモンスターのデザインとしては屈指の良さだったと思います。
ケマトリス「燃える尾による必殺技のような攻撃」で一気に体力ゲージを減らす、これもまた良いチュートリアル級のモンスターだったと思います。
ただ、骨格がドスジャギィ的な感じなわりに「車庫入れ」等な動きのいやらしさが無い分、ストレートに殴りやす過ぎるかもしれない、とも思います。
バーラハーラ近接だと頭部が揺れる事から、やや殴りにくいトリッキーなタイプのモンスターで、「地形活用」や「強攻撃後に弱点露出」する、システム利用してチャンス作るタイプのボスになっていました。……が、イマイチ、良い感じに機能しているように思いません。
相変わらず特定の位置でしか地形は活用できないので、ルーティンをこなすだけのモンスターから飛びぬけない印象です。
ラバラバリナ弱すぎて印象に残りにくい……
「表面的なトリッキーさ」はあるのですが、直線的な攻撃が多く、動きもステップ数が固定されていて他モンスターよりも単調です。ただ、ここに至るまで「早く動いてカメラ視界を抜くモンスター」は少ないので、そのチュートリアルなのかもしれません。
ババコンガあまり語る事は無いのですが、複数状態異常チュートリアルのボスだなという感じです。傷口システムによって各部位がまとまるような立ち姿の骨格モンスターは概ね弱体化したんじゃないかという印象がありました。
ドシャグマ初心者の壁的なモンスターとして位置づけ出来るモンスターでしょう。経験者なら問題にならないでしょうが、慣れてない方は隙の少なさとモーションの判りにくさの2点と、攻撃力の高さという組み合わせから、ちょっとバランスの悪い立ち位置になってる気がします。とは言え、緩いモンスターが続いたので、許容範囲内かもしれません。
特に「熊系」の骨格はとにかく出だしの動きが判りにくい事から、強い種で出てきた時にはいつも人気が無い感じになるので、わりと不憫な感じです。モーションの判りにくさはバーラハーラ辺りがもう少し上手く練習台として機能してると良いかもなーとは改めて思いました。
ププロポル各土地に「生態系上、弱いモンスターがいるべきだ」というのは判るんですが、それにしても弱すぎでした。
とは言え、この先の時間差AOE系攻撃の練習台としては必要だったんだと思います。多分。
ネルスキュラモーション調整されたおかげで良モンスターになったと思います。「慣れないうちは良く判らないし戦いにくい」「慣れるとゴリ押せる」と、トリッキーな動きをするタイプの中では、適度な難易度のモンスターになってるのではと感じます。ストーリー中はBGMも相まって印象的な感じです。
ヒラバミ「途中一度討伐したレダウ」とは別の、初空中タイプのモンスターが登場です。武器を使い分けたり閃光玉を使う事が想定されたのかもしれませんが、初空中モンスターとしてはまさかの水中の海竜骨格で、唯一性デカい動きで、体力の少なさも相まってなんだか良く判らないうちに倒してしまうパターンのほうが多そうです。
敢えてハンマーとかで殴ろうとすると、タイミング測れて気持ちいい、とかはあります。
アジャラカンワイルズはコイツに学習要素を盛りすぎです。
「1アクションにつき複数攻撃判定が多い」
「向き補正が強く、回避しにくい」
「隙が比較的少な目」
「攻撃判定のディレイがキツめで、回避タイミングや防御タイミングを誤りにくい」
「肉質が硬い箇所がある」
「初登場時2体で、すぐには救難信号を出せない」

と、中盤の大きな壁として設定したのは想像に難くないモンスターです。
ここまでのモンスターはゴリ押しも楽な方ですし、周回もほぼ不要なので、今作では上記の対処をここで一気に学ばなければならないケースも出てきやすいんじゃないかなと思います。回避しにくい・反撃しにくい攻撃ばっかりしてくる!という印象になりやすいというか。
とは言え、オリヴィアがさっさと1匹連れていきますし所詮下位なので攻撃力もさほどではなく、初心者も手も足も出ないわけではないのですが。改めて特徴を列挙するとちょっとコイツの登場タイミングだけは若干のクソゲー感あるかもしれないですね。当時は何とも思いませんでしたが、モンハンじゃなかったら「なんでこんな雑なバランスなんだ」とは思ったかも。
護竜ドシャグマ「傷口回復」「疲労しない」「竜乳利用」のチュートリアルですね。
あまりドシャグマとは変わらないのですが、ププロポルとアジャラカンで一応学んだ竜乳エネルギーによる遅延攻撃+防御力ダウン持ちです。
護竜は全体的に狩猟テンポが変わる要素がオミットされている(傷口回復・疲労無し)事と、ぶっちゃけ通常モンスターと印象がほぼ変わらないので、カサ増し感のほうが強かったですね。
護竜リオレウス護竜シリーズを出したことで新色が出せる点は、同じカサ増しでも良いことがあるんだな、と思いました。
さておき、空中モンスターの壁……と言いたいのですが、下位だとそもそもあまり飛ばないので、印象が薄いかもしれません。(シリーズでも格段に狩ってる数が多いので、感想持ちづらいところもあります)
護竜オドガロン亜種狩るか狩られるか、みたいな肉質の柔らかさと攻撃スピードの速さが特徴で、全体的に敵の攻撃の速さに慣れていく・ゲームテンポが一段上がっていくためのワンステップなのだと思ってみています。
ワールドの頃よりも大幅に弱体化しており、あまり苦戦する人はストーリー中は少なくともいないでしょう。
シーウー連戦は初見時驚きましたが、実はモーションと移動方法にもかなり特徴があり、特に近距離武器だと慣れると狩りやすいワイルズ随一の良モンスター……と言いたいのですが、いざ周回するとエリア移動時の距離が長すぎて良い印象を持ちづらくもなってきます。
昨今は中遠距離武器が安定しやすいモンハンですが、それのメタ用のモンスターとも言えるかもしれないですね。一体こういうのがいても良いとは思います。
レダウワイルズにおける標準的な難易度のモンスターだと思います。「平均的」というより「標準」です。
モーションが判らないうちは慌てる事が多いものの、どれも観察すれば大振りで判りやすく、次に何が来るか覚えやすい、ワイルズでモンハンの一般的な戦闘経験を積むならレ・ダウで決まり(というかコイツしかいない)でしょう。……同時にコレがワイルズの「簡単すぎでは?」問題にもなっていると思います。
ウズトゥナストーリー中はほぼ印象に残らないというか、歴戦個体にならんと空気ですね……ただコチラもモーションは覚えやすいです。
フォルムが変わる変身的なギミックは狩猟テンポの崩しという意味でも面白い、とは思います。
ヌエグドラタコ骨格でやりたい事を全部詰め込みましたみたいなモンスターで、大型モンスターにおける”向き”の重要性を知る事が出来る印象です。
ジンダハド疑似ワイプ技持ちで、地形利用を行う今作の大型モンスター、マム・タロト骨格ですね。
攻撃制限がかかっている他、進行度によるシステム等、ストーリー途中ならではのコンテンツ感があり、独特なカットシーン付の演出重視バトルとして上手くハマっているとは思います。
アルシュベルド沢山狩られ過ぎたボス。やや亜空間気味の判定はあるものの、弱点露出や相殺による攻撃チャンス増やす行為など、やっていけばやっていく程狩りやすくなるという意味では悪くないです。(★9はまだあんま数狩れてないので何ともですが)
イャンクック~上位以降は簡単に行きます~
わりと強化されたイャンクック先生、上位に入ったらモーション強化されるのが嫌でもわかるようになっているのは良かったと思います。(それでも単体で見ると愛嬌のある強さに収まった感はありますが)
問題は一部他のモンスターもそうですが「移動距離が長い」と「群れる時は面倒くささが勝つ」点で、こっちはシステム的な問題と言えます。
ゲリョス「死んだふり」について、恐ろしく弱体化を食らっていました。尻尾回転も弱いので、ついで参戦みたいなものでしょう。
リオレイア昨今の作品ではずっと「先生」的な立ち位置だったのがリストラされ、護竜レウスが先で登場している事もあり、今作では影が薄めです。防具スキルも弱く、今作では(特に通常個体は)そんなに狩る意義がありません。
今作のイャンクック、ゲリョス、リオレイアは賑やかし要員ぐらいに見ています。ワイルズでは低ランクの防具の重要性が良くも悪くも低くなったので、相対的に存在意義が薄まったんですよね。
護竜アンジャナフ亜種大剣と防具作ろうとすると「上鼻骨」を狩るために周回することになるモンスター。
元々ワールドのドシャグマ的な立ち位置だったモノの亜種という事もあり「モーションが判りやすく相殺が比較的しやすい、頭部や尻尾は高い位置にあり攻撃には一工夫要るが、足に傷口入れると転びやすい」と、こちらの対策方法が判りやすく、「ゲームにおけるモンスター」としての完成度がかなり高いと思います。
むしろアンジャナフ系列が今作もドシャグマ的な立ち位置にいたほうが良かったのでは……とは思います。生態的にあり得ないのは判りますが。
リオレウス歴戦個体になるまではそんなに空中いかないので、あまり印象に残らず。上位通常個体の空気感は中々強いですね。
グラビモスヘビィボウガン無しでもだいぶ弱い印象です。動きが遅いのは変わらないので……。ただ、あんまり今までと工夫のしどころが無いのは変わらずで、何故復活させたか現状だと微妙な感じはします。
ドドブランゴ上位のタイミングで初参戦するのが不思議なぐらい、目立った印象が無いモンスターです。
MH2OPの再現が出来るのは良いんですが、若干サイズが小さくなった印象で戦いやすくなりました。
ゴアマガラ攻撃パターンが多彩で、今作最も賛否両論の強さを呼んでいるゴアマガラ。モーションが多彩・破壊力も抜群で、今作最強の印象はあります。
個人的にはこういうモンスターいても良いんですが、ワイルズは「ゴアより少し下」があまりいない印象です。
ゾシア初見殺しはあるものの、動きがゆったりしているので慣れれば苦戦することはないタイプの、いつも通りぐらいか少し楽なほうのラスボスだと思います。
タマミツネ無料アップグレードの追加ボスは全体的に少々物足りないところもありますが、タマミツネというモンスター自体は戦ってて楽しく、悪くなかったです。
ラギアクルス賛否両論の海中戦、BGM含めた思い出補正を載せれば最高のバトルでそれを忘れるとかなり微妙な体験でした。個人的には良くも悪くもワイルズというゲームを体現してるモンスターという印象です。
セルレギオス★9も相性が良かったのかたまたま上手く狩れてるので、あんま印象無いです。ごめん。

最高だったこと

ここからは一個ずつ書いていきます。

主人公が喋ること

実は初代モンハンから、ずっとほぼ同じキャラクリを使いまわしています。

ロールプレイしてるとかじゃなかったんですが、髪型も常に同じものがあれば選び、そうでなくとも似せていたりしました。ただなんとなくです、なんとなく。

しかし、今作、主人公が喋ります。

発売前はそこまで気にしてなかったんですが、いざ遊ぶと今作、「ストーリー中、経験豊富さが滲みでるハンター」「飯を美味そうに食べるハンター」などの解像度が尋常じゃなく、「う、動いとる!!20年以上前に作った自分のキャラが動いて喋っている!?!」と、おそらく大多数のプレイヤーが感じることはないだろう感動を一人で勝手に覚えていました。

マジでこれだけで買った甲斐があるんじゃないかという、ほぼ唯一無二の体験と感動が味わえました。ありがとうございました。

あと、オトモはシリーズによってはむず痒い想いをしていたので、今作は素直に主人公のパートナーという立ち位置に戻ってホッとしました。いつもこれで良いです。

キャラクリの「絵」の方向性

自由度は高く、かつ、そこまで「美女がストレートに作れますよほらほらエ●いですよ!」みたいなウリをせずに「美女美男」「ムサ苦しい男女」「ネタ枠」みたいなキャラクリを、日本になじみやすい顔感で実現できてたの、素直に凄いと思います。

昨今は細かいパラメータ調整ができるので色々出来るのであまり差が無いとも言えますが、それでもデフォルトの顔で違和感ないキャラクリが出来るのは良い感じです。

このキャラクリで受け入れられるギリギリの境界線というのは国毎・触ってきたゲーム、触ろうとするゲームによって大きな違いがあるとは思いますが、モンスターハンターとしてのキャラクリから逸脱することなく実現できていたのではないかと思ってます。

グラフィックの美麗さ

最新作なのでそこは担保してもらわないと困る、という感じもありますし、必要スペックも高くなったので、当然っちゃ当然なんですが、キレイなものはキレイだったので。

マップの新鮮味という意味ではワールドにはかなわず、積雪の表現等一点ずつ見ていくとアイスボーンに及ばない部分もあるとは思っていますが、美麗さという意味ではワイルズはダントツでしょう。

狩猟のテンポの良さ・快適性

ワイルズが快適だなんて!と思う人もいるかもしれません。まぁ確かにアイスボーン・サンブレイクに慣れていると気になるところは列挙していくと非常に多いんですよね。

ただ、採取を気にしなくてよくなったり、食事がいつでも取れるようになったり、その辺のモンスター殴るだけで狩猟が始まったり、キークエストを幾つかクリアして……みたいな要素が無くなっていたり、追加要素があるサブクエがフレーバーテキストから判るようになっていたり、「ゲームクリアまでの徹底したガイド」という側面からすると判りやすくなっています。

ここはゲームとして評価すべきです。特にワールドで途中離脱したプレイヤーが少なくない事を考えれば、クリアまで、と言うかエンドコンテンツまでたどり着けるようになったプレイヤーが多くなったのは評価すべきだと思います。今まで全然モンハンになれなかった友人知人も「遊べたわー」って人も多かった事から実感もあります。

ただし、同時にこれは個人としては正反対の感情もあるので、それはまた後で。

最低だったこと

ここで回れ右してもらっても良いです。


ようござんすね。

クラッシュ関連

特にPC関連の問題をまとめて取り扱いますが、こんなに最適化できてないソフトが出てくる事にガッカリしています。

クラッシュしたり、パフォーマンスが劣化しやすい事は、まずゲームとして体験する前段階の話なので、ここが「修正完了」と言えるようになるまで評価に値しないという人が出るのも仕方無いと思います。

だってゲームにならないんだもの。お話にならないでしょう?

個人的にはここはCS機で遊ぶことで安定して遊べてはいます。ただしワイルズが気合の入れた高グラフィックは多分体験できてないでしょう。だって体験しようとすると推奨スペックを大きく超えていても不安定になるからね。バカバカしい話です。

UIの刷新がイマイチだった箇所があり、「友人と遊ぶ」という体験が過去最低だった

「例えばサンブレイクのローカル通信のように、毎日、友人とだけで一緒に採取をしたい」と思った時、どういう設定が最適か、皆さん即答できますか?

答えは

「専用のサークルを設立して、」

「フレンドになってサークルに勧誘し、」

「以降はサークル鯖を立ててそこで遊ぶようにして、」

「一緒に採取したい時は環境リンクを行い、」

「一緒にクエストを行う時は、誤って外部から他プレイヤーが来ないように救援設定を変えておく」

です。

サークル鯖立てても外部から入ってきちゃうの凄いですよね。ワイルズのこの辺りの設定がどう連動してどう関係しているのか、全てのケースに対して正確な説明できる人はそう多くないと思います。

私の場合は、「発売日だし仲の良い友人と好きに遊んでみたい」から始まったのですが、今まで通信関連の機能一つで完結していた操作が、大したヘルプ文章も書いてない複数の機能を読み漁って・試行錯誤して遊ばなければなりませんでした。更に先ほどのクラッシュ問題や、初期のネットワーク不安定な問題も相まって、中々遊べず、発売初期のゲーム体験は間違いなく歴代で最低でした。「友人と楽しく遊べるモンハンシリーズ」を長くやってきてここまで大きな失望を抱いたのは初めての事です。

「今までシリーズで簡単に出来ていた事」が「複雑になった」ので、明確劣化した機能ですね。今後もこの路線を続けるなら「友人と楽しく遊べるモンハン」は二の次になり「なんとなく知らん人と知らんうちに遊ぶモンハン」になっていくんでしょう。その路線は要らねぇと思うんですけどね。MMO作ってやってくれって感じです。

ちなみに他のUIも細々したところで不満はあるんですが、ハードが変わった時にUI変わる事も経験しているのでまぁ良いかなと。(Wiiで遊んだTriは中々でした。アレはアレで唯一無二の体験でしたが)
上記に関しては「変わった」ではなく「劣化した」箇所なので、ここだけは記載しておこうと思った次第です。

ボリューム不足。エンドコンテンツもそうだが、エンドコンテンツに至るまでも最薄

実はエンドコンテンツに関しては世で言われている程致命的だとは感じてはいません。

ただ、発売当初ボリュームが少なく感じたのは事実です。
クリア後のコンテンツ(他に全く無かったわけじゃないんですが)アーティア武器全武器一種ずつ追加されただけでしたからね。思い切りが良すぎるぜカプコン。ちょっとこの辺を長めに書いていきます。


さて、例えばライズの発売直後も散々でしたが、こっちとは少し事情が異なります。

と言うのも、散々書いてきたように「初心者でもクリアするまで簡単で容易な作品なので、クリアまでのゲーム体験も薄い」という事です。

こっちは賛否両論というか、「はよエンドコンテンツやらせてくれ(シリーズ経験者からありがち)」「よくわからん道中で試行錯誤したくない(海外からありがち)」みたいな意見に答えた結果なんだろうとは思いますし、功を奏した部分ではあると思います。

ただ、結果的に下位も上位もレウスぐらいまでの難易度のモンスターほとんど存在しないに等しく、全てチュートリアルモンスターみたいな位置づけになってしまいました。ライズ並・あるいはそれ以上に体力も攻撃力が低くモーションが大振りで、傷口システムで圧倒出来て、簡単に討伐する事が出来ます。

拍車をかけているのは防具スキルと武器スキルの分離で、低ランクの防具スキルはハッキリ言って「あっても無くても同じ」みたいなスキルが多く、素材入手の容易性も相まって防具を制作するというゲーム的な体験は、クリアまでほぼ存在を失ったと言ってもいいでしょう。勿論見た目が好きだからという理由で作成する方はいるでしょうが、「下位~上位に向けて少しずつ強くしていく」体験は、大幅に削られたと言ってもいい。

別に上位ティガ2体に苦戦してたあの頃に戻ろう、と言っているわけではないんですが、あまりな思い切りの良さに正直戸惑っているのも事実です。

……話を戻しますが、その上で、エンドコンテンツの薄さが問題になります。

エンドコンテンツまで駆け抜けられるようになりました、簡単にしました、機能もシンプルにしました、結果的にエンドコンテンツはこれしかありません!ではお話にならないのです。

事前のインタビューで「没入感を高めて、ストーリー進行に集中してもらい、クリアまで出来る人を増やす」とか言っていましたが、そのせいなのか、なんか根本的におかしくなっていました。

追加モンスター、高難易度の追加、お守りの追加、と半年ぐらいかけてようやくマトモになってきた感があります。だってクリアまで駆け抜けやすくしました!クリア後なんもありません!みたいな状態だったんです、一時期アルシュベルドしか狩るのいないようなデザインを看過したのは今でも信じられません。

さて、改めて最初に書いた通りなのですが、現在は致命的に感じていません。そこそこマトモな状態にはなってきたからです。今から始めると「エンドコンテンツめちゃくちゃ薄いな!?」と感じる人は少ないと思います。

現状で3体の追加モンスターのエピソード、更に追加される予定があるのと、豪鬼というオマケコンテンツと、アーティア武器と、各種歴戦個体の装飾品厳選と、★9モンスターによるお守り掘りと、更に開始時期によってはシーズナルのオマケ収集があったりするので、買い切り製品としてはそこそこのボリュームに見えると思います。

なので言えるとしたら「次回はユーザー目線というか、自分たちがどういう方針でゲーム作ったのか、最初から考えてくれよ」ぐらいです。

ストーリーを終えるまでの自由度の低さ

別項目に分けるかどうか悩みましたが、先程挙げたように今作は「クリアするまで屈指の自由度の低さ」です。上位アルシュベルドまで、時には天候さえ固定されます。なんだそりゃ……

先の項目で挙げなかった点を言うなら、ところどころで自由に調査・狩猟するタイミングはあっても良かったよね、と思うわけです。

例えば、アルマに話しかける度に「次に進みますか?」と聞かれて、NOと答えてからクエスト選択画面に入るストーリーはよ進めろみたいなUXはイマイチでした。(テントに入ればどうこうという話ではなく)

例えば、レ・ダウを狩猟して、なぜかストーリーを進めないと特定部位の防具しか作れない仕様は良く判りませんでした。そこは作れたとしても難易度に大して差は無いだろ。仮に作れる頃には他の同程度の優秀な装備も作れたりするので、何がしたいのかよく判りませんでした。

すべてが「ストーリー早く進めないと自由に遊べないよ」という造りにしているんですね。

「ストーリーに集中できる造り」と、「ストーリーに集中してくださいねと言われる造り」の境界は個人によって異なると思いますが、私は今回のワイルズの造りは後者に感じて、クリアするまでとても窮屈でした。早く広々としたフィールドで自由に狩りたいのに、なんだかアンロックされないし、アルマは先に進めようと言うし、時には天候も変わらないままだし。

初めての試みだから仕方ない……とは言いません。カプコンは老舗のゲーム会社です。モンハン以外のIPを考えるなら海外展開も始めてではありません。既存IPから学べるものも少なからずあったはずなので、もう少し自社だけでも過去のゲームから良い塩梅の境界を探れたんじゃないかと思います。

食事シーン(※一部)

要望に近いので簡潔に書くと、でかい肉食わせてくれ、スーパーの肉や野菜食わせるな、です。

なんでカット野菜……?ってずっと思ってます。

各拠点の食事は良い感じでしたが、ワールドより食ってる量減ってるよね、という気持ちはどこかに残ったままです。

ライズやサンブレイクは団子だったし、ずっと食事については微妙に満足しない感じが続いています。無理にキッチンシステムとかは再開しなくていいので、デカくて美味いハンター飯を用意してほしいものです。

「操作を全部教える気が無い」わりにバランスの基準は「操作を全部覚えている」こと

いい加減マトモなヘルプとアクションのツリー用意してくれ。

全体的に見直しかけてるのに「Wiki見ないと判らん事が多い」って問題を削減する方針ならちゃんと貫いてくれ。

初心者にベテランが教えるコミュニケーション機能が豊富なわけでもないのに、なんでずっとサボってんでしょうね。「初心者が遊びやすいように」と表では言いつつ、そういう半端にしている箇所が多いところは正直評価し難いです。

ヌシ釣りの仕様考えたやつは反省してほしい

成功失敗の手ごたえがあんなに存在しない釣りミニゲーム」を搭載しようとした判断がどういったものだったのか知りたいです。

面白い面白くない以前で、自分が何してるのかゲーム画面からのフィードバックが伝わりにくいので、触れていて不快でした。

そしてあちこちで言われている通り、セクレトが視界の邪魔をします。ゲージ系のUIが無いので視界に頼るしか無いのに、です。

カプコンのゲームの釣り要素と言えばブレスオブファイアや大神などが挙げられますが、別にそこに寄せる必要もないんですが、とは言え、どこに寄せていったらこういう仕様になったのかマジでよく判りません。

面白く出来ないのなら、素直に過去作に寄せてほしいなと思いました。

結び:モンハンは狩猟シミュレーターではないよね、という話

ユーザーなので出されたモノを食べる、食べない、と選ぶしかない、という前提の下で、最後に。

結論から。私個人が愛してきたモンスターハンターは「狩猟シミュレーター」ではありません。
あくまで「モンスター狩猟という遊びが核」という前提ありきで「奥行きのある世界観や生態系などのフレーバーが、そのゲーム体験を豊かにしてきた」と思っています。

世界観をウリにするワールドやアイスボーンすらその造りだったはずです。狩猟のゲーム性を際立たせるための世界観、ゲーム性や新規機能を最大化させるための専用ステージ群が「新大陸」でした。

例えば採取などの行動も、言ってしまえば狩猟に活かすためのアイテム造りの工程です。そこにハンターとしての生活感をフレーバーとして残しているのが体験に奥行きを与えているというだけだった筈です。

しかし、今作はその優先順位の入れ替えが起きてしまっている気がしています。

今作では、おそらく「ストーリーに集中するための簡易化」「シームレスなオープンワールド要素」が大きなテーマになったのだと思います。それに説得力を持たせるために「環境シミュレーション」や「生態系の表現」が前に出てきたのだと認識しています。

結果として、命題が「仮想空間(拠点←→狩猟のシームレスな切替)をどう成立させるか」という技術要素へのチャレンジに変わり、その上に従来の”狩猟ゲーム”を載せる構図になった、ここで優先度が逆転し、パフォーマンスの歪みや、コンテンツの薄さと感じられる部分といった副作用が出たのではないか……と、疑念を一個人としては抱いて、邪推しています。邪推に過ぎないことを祈ってますが。

※モンスター遺体が腐っていくシミュレート機能は素晴らしいとは思いますが、それは間違いなく「計算量」を消費しているし、それを使った狩りの遊びは特別増えていない事が、優先度の変更が起きている実感としてゲームから滲んでくるのです。

ちなみに余談ですが、最初のモンスターハンター無印はそういうネットワークを使った遊びとして、技術の上に遊びが乗っかったゲームでした。そういう意味では原点回帰してるという見方もあるかもしれませんが、それでも技術の上に乗っけようとしていたのはシミュレーターではなくゲームでした。

もちろん、評価しているところもあります。

自然に野良ハンター・知らないプレイヤーと繋がりができる仕組みが強化されているところ、ゲームの延長線上にある可能性・価値だと思います。野良との一狩りが快適になった点は前進と言えるでしょう。

対照的に、友人同士だけで狩るまでの手間が増えたのは何故でしょうか?設計意図を問われればきっと「今回は自然な・シームレスな接続を優先したのでこうなった」とでも返ってきそうです。
つまり「誰かと遊ぶ機能を作った」のではなく「シームレス接続を優先した」から、同じ「誰かと遊ぶという体験に差が出ている」のではないか

……モンハンはシミュレータではなく、ゲームであってほしいです。もっと突っ込んで言うなら、
コミュニケーションの場や仮想空間の実験場である前に、ネットワークを生かしたバトルゲームであってほしいのです。

そうファンとしては強く願わざるを得ないのです。

今作も面白かったし、多くを楽しみました。満足した箇所も少なくありません。アップデートにも期待しています。

ただ、この路線を強く推し進めた先に、私が愛したモンハンの面影がどれだけ残るのか、そこに楽観はできませんでした。

長々書きましたが、別に昔に戻ってほしいわけではありません。昔の作品ならただ手に取って遊べばいいだけですからね。
ただ、進化の方向がコチラなんですと言うなら、それはそれでファンという立ち位置から離れて「昔はファンだった」と言うしかありません。結局のところ、ユーザーには「手に取って遊ぶか、手放すか」しか無いので。

改めて、一個人としてはモンハンはシミュレーターではなく、ゲームであってほしい、ファンとしてただそれだけを願っています。