この記事はクリアまでのプレイ感想記事であり、2024年7月に発売されたばかりの「ファイナルファンタジー14 黄金のレガシー」の重大なネタバレを含みます。
「マジで面白かった!」という側面と、「まぁでもそれだけではないよね」という側面が混じった感想になってます。あくまで管理人の主観的なプレイ感想ですので、その点ご了承いただきお読みください。ちなみにバカみたいに長文です。あまりまとまってもいません。
問題ないよ、という方は「続きを読む」をどうぞ。
黄金のレガシーは狂っている
まず、前提としてファイナルファンタジー14は新生して10年経ったそうです。
10年間続いている運営型のゲームは決して多くなく、「今現在も最多のアクティブ数がいるMMO」とジャンルを限定すると、まぁ本当に片手で数えるぐらいしか無いと思います。
そんなFF14、記念すべき10年目の大型パッチで、どんな大冒険が待っていたのかというと。
- プレイヤーはマジで活躍しない、後方でずっと師匠役みたいな顔して頷いてる
- 主人公・主役は、いわゆる「獣人娘、ケモ娘」
- 他に登場する準主役級の大半が「マムージャ族」と呼ばれる、一般的には「リザードマン」
大冒険しすぎだよォ!!!
「10年経って、次の10年を考える大型パッチ」だと事前に聞いてはいたんですが、これにGOサイン出す開発・運営は凄いですよね。わりと素直に思います。どう取り繕っても、前パッチ「漆黒・暁月」のストーリーは「良い顔の男・女達が織りなすスケールデカめのファンタジー」だったわけなので(揶揄する気はなく、まぁJRPGは基本コレですよね)そういうステレオタイプな物語を続けていくのかなーって思うじゃないですか。
戦力インフレするにも宇宙行っちゃったしな……みたいな話もしていたわけで、本当どうするんだろうと思ってはいました。思ってはいましたが「リザードマン的なNPC一杯出そうぜ!」とかならんだろ。
もう一度言いますが、記念すべき10年目・高画質化のグラフィックアップデート直後の大事な大型パッチでやる事がソレですよ。
正直発売前はどんな感じになるのか全然ピンとこなかったんですが、発売後どうなったかというと、
- スッゴい賛否両論になっている「主役のウクラマト(獣人娘)」及び「ストーリー」
- 沼に入りまくる人が少なくない数出てしまい、「マムージャ族にハマる勢力が一気に拡大」
みたいな状況が素人目にも見えてきていて、運営10年目のゲームに対してのものとは思えない感情が渦巻いていて「本当エネルギーが集まるゲームだな……」等と思うなどしました。
かくいう管理人はバクージャジャとゾラージャが(物語上で描こうとしていた立ち位置も含め)好きです。
次の項目からは、感想書いていきます。
最初に「まとめ」と「ざっくりした感想」
- 面白かった
- グラフィック(背景)とBGM特に良かった
- キャラクターには(…粗削りながら)魅力の種のようなものが沢山埋まっていた
- めっちゃ課題も多く感じた
- 新たにチャレンジした「主人公の師匠ポジション」は、やりたいことは判るけど、課題が大きい・多いと思う
- 「滅茶苦茶楽しんだ」けど「でも隙だらけの物語でしたね???」という気持ちが両方ある
- 「夏休みに海に行ったら、実は行き先が美しい廃墟で、それならそれで相応に楽しんだよ」っていう心持ち
- 他の人の感想見てて
- 「刺さる」部分と「刺さってない」部分が人によって全然違っていて、スゲェもん出してきたなFF14、という感じがある
面白かった、最高の時間だった
ここは強調しておきたいのですが、最高でした。
JRPGのファンタジー空間をカメラグリグリ回しながら、空に水中に地上に、動き回れる国産オンラインゲームがそもそも数少ないので、その筆頭の一つである「ファイナルファンタジー14」のグラフィックアップデートと新マップとBGMだけでも、だいぶ素敵な時間でした。
素人目には「草木の多さ」もそうなんですが「水の表現」「煙幕系のエフェクト」「光の反射具合」の3つが大きく変わっていて、これだけで今までと違うワクワク感がありました。
キャラクター(というか演出)で言うなら、ウクラマト周りの気合の入れ様が尋常ではなく、特に表情回りの演出はグラフィックの進化も相まって、大変良かったと思います。
管理人個人としてはマムージャ族のネームドキャラクターがどれも刺さりに刺さったので(友好部族大好き)、特に前半はテンションが上がる場面が多かったです。
ゲーム側の体験としては、(例えば)ヒーラーでIDに入った時には「全体攻撃多いね……?」と焦り、タンクでID入った時には「敵視跳ねるね……?」と焦り、それぞれ大変だった場面もあったのですが、管理人は(今は)いわゆるライト勢なので、本パッチで久々にヘイト管理やヒールワークの楽しさの片鱗を感じることが出来た側面もあり、良い体験でした。久々に極までプレイしました。楽しかったですね。
面白かったけど、それだけではなかった
「最高!」と書いておいてなんなのですが、「全パッチ中ダントツで細かく気になるところ多かった」というのは否めません。
全体的に感じたのは、特にメインストーリーの細かい整合性というか、「そうはならんやろ?」「あれ、なんか話見逃したか?」みたいな場面がすっごい多くありました。
一言で言うなら、「多分、今後の.xのパッチの為に言及しなかった事があるんだろうけど、引き算みたいな形でストーリー作らないでほしい」とは強烈に感じました。引き合いに出される紅蓮ですら、そうなってなかったじゃん。
大まかな流れそのものは楽しんだんですが、それは本パッチはかなり能動的に楽しさを見出していたからこそ楽しめたから側面もあるなぁ、と正直あります。
一つ一つ書いていくなら、「もう少し細かい配慮が欲しかったカットシーンがある」「カットシーンがやたら多い・長い」「ストーリーの一部の尺不足のように感じる場面」「都合が良すぎる展開ではないか」「主人公の扱いは今後コレで良いのか」「二部構成は適切だったのか」「キャラクターの内面の掘り下げが足りていないのでは」「エメトセルクが”鏡像世界に行く術が存在する事を知っている”と行動の説得力が下がらないか?」「ケテンラムなんだったの?アラルレのストーリーかなんかの為に出てきただけ?」など、気になる部分も少なくなかったので、それも(なるべく、フラットになるよう心掛けて)この後の項目に書いておこうと思います。
10年続く「主人公=自分」の難しさ
本作「黄金のレガシー」では「プレイヤー=自分」は守りつつ「主役の役割=別なキャラクター」に挑戦しています。つまり「先輩・OBのような立場にプレイヤーを置く」ことで、マンネリ化を打破しようと試みたいメッセージを感じました。
(違うのかもしれませんが、大枠はズレていないはず)
あまり見ない、RPGジャンルのMMOだと初では?と思うぐらい、とても大きなチャレンジだと思います。でも、これには凄く……凄く課題を多く感じました。
細かい点は後述しますが、こちらも一点だけ言うなら「カタルシスは主人公の手で」という点を外すべきではなかったと思います。ゾラージャかバクージャジャとは一対一で戦う脚本になってても良かったろ。
(余談)自分の加齢を感じた話
プレイ中感じた問題点は、先ほど書いた通り一番多く感じたパッチでした。
でも、それでも「最高!」と遊べるようになったのは、(グラフィックやBGMはじめ、たまたま自分にマッチした体験は勿論のこと)身も蓋もないのですが、加齢によって許容範囲が広がったんだろうな、と思っています。
特にウクラマトというキャラクターを(ある種、子供・次世代の若者のように)肯定的に見ることができたのは、少し年をとったからだと思ってます。
「影が無さすぎて、感情移入し辛く」「精神性が(特に前半)未熟で」「ある種彼女にとって都合よくストーリーが巡っていく」「プレイヤーは、特に大きな活躍も現地の住民と強い絆も育むこともない」という状況だったわけですが、若い頃だったらこのストーリーを、お金と時間を支払ったゲームとして、数十時間の間熱狂的に遊びたいゲームを期待していたとしたら、上手く楽しめなかったかもしれないなとは感じました。
ただ、もう若いとは言い切れないぐらいの年齢の管理人は、主役不在の物語はいくらでも見てきていますし、主人公が常に持て囃される位置にいる創作ばかり見てきたというわけでもありません。
生々しい話、支払う金銭が趣味程度で済んでいるということ、ウクラマトを「物語上、子供の立ち位置のキャラクター」としてやや好意的にみることができているということ等もあり、「海外ドラマで言うなら今回はそういうシーズンなんだな」ぐらいの温度感で見ることができた……という背景は大きいと思います。
ストーリーそのものに対しては、漆黒の時のような、のめりこんだ瞬間は多くありませんでしたが、文字通りワンシーズンのバカンスとしては充実していたのかな、と思えているわけです。
【個別の感想】1. グラフィックアップデート
ここからは個別に感想を書いていきます。まずはグラフィックについて。
最初に書きますが、元々が10年前のゲームなので、最新鋭のAAAタイトルのようなグラフィックに及んではいません。(当たり前)
そのうえで「MMOであるFF14の目指す方向性のグラフィックアップデート第一弾」としては良い落としどころだったのでは、と思います。
マップは(個人的には)特に前半が最高
PS3でも一応動いていた頃もあるタイトルとしては、劇的な変化を遂げたと思います。特に霧と光の表現は大変心地よいものになりました。(全体的にギラギラしてるな、ともちょっとだけ思いますが)
下のスクショ、背景とかカットシーンで流れるだけではなく、ここを自由に「飛んだり跳ねたり走り回ったりできるMMO」なの、控えめに言って最高ですね。
ヤクテル樹海を走り回ってる時が一番グラフィックの進化を感じました。文字通りファンタジーの樹海を走り回っている感覚で楽しかったです。
ほかには「オルコ・パチャの山間部」、これはテクスチャや光源の美しさを感じたという話ではなく、開発部側の画作りの経験値を感じました。高低差を使って「開けた山間部(が見えるような導線)と、狭い崖路」が同居しているマップになっているのは素直にすげーなーと感心しました。下り坂からだだっ広い灰色の山道が見えた時は「おー」と唸ってしまいました。
後半マップの「荒野」は(あくまで個人の感想として)そんなに刺さらず、わりと有名どころのタイトルでも解像度の高い荒野はいくらでも出てくるので「どっかで見たことある」以上にならなかった感覚がありました。ただ、ここは私が西部劇自体そんなに憧れてないのもあります。人によっては滅茶苦茶刺さってたみたいで、友人との温度差を感じたマップでもあります。
雷ドーム以降のマップは基本的に好きなんですが、未来要素とファンタジー風景との融合は……いや、わざとやってるのかもしれないけども、なんかあんまり先進的に見えませんでした。(ソリューションナインの、アジアのショッピングモール感が所々見え隠れする箇所が気になってます。車の展示会みたいなのもイマイチ……)
同シリーズ内で言うなら、ファイナルファンタジー13辺りの空気感ぐらい(あるいはスターウォーズ的な……)振り切っても良かったんじゃないかなぁ、とは思ってます。
ただ、エバーメモリーのマップに関してだけは、マップ全体に漂う歪さはわざとやってる感じもあるので、そこに関しては成功してるんだろうなとは思います。
キャラクターは「綺麗になった」が「難しいんだろうな」とも感じた
キャラクターに関しては、(きっと恐らく、技術的に無理やり作っていた骨格を修正するところから始めて)極力雰囲気を崩さないように、という意気込みは感じました。個人的には現状多くは気になってないんですが、旧マップとか旧NPCと会った時に違和感は出るだろうなと思ってます。
これに関しては本当難しいなーと思っていて、「自分自身を投影する理想のアバター」あるいは「理想の物語の主人公」をデザインできるキャラクリ機能があるからこその問題だと思います。
もし仮に解消するとしたら、(この問題だけ解決する事を考えるなら)細かくパーツ調整できるようにするしかなかったのかなぁとも思います。でもそんな簡単に実装できないだろうし、グラのアプデを行うなら、キャラの骨格そのままにもしてられないだろうしなーという。
【個別の感想】2. ストーリー(前半)「継承の儀パート」
良かったところ
ウクラマトが主役のスピンオフと言っても過言ではない、主人公がOB役に回るお話でした。
そのため、ウクラマトが好きになれないとただただ辛いシナリオに組みあがっていて、中々挑戦的なシナリオだなぁとは感じました。管理人はウクラマトに好感を持ちながらプレイできたので、わりと素直に楽しむことができたと思います。
ウクラマトの良さは、下記の通りだと考えています。
- 行動することに躊躇わない、躊躇う期間が短い(重要)
- キャラクターの造詣が判りやすく、誤解を生む余地が無い
- 王になる事(ゴール)に迷いが無い
- 誰相手でもやる事が一貫してる。「相手の事を理解した上で、やるべき事をやる」
「ウクラマトが主役のシーズン」としてみるならそこまで(都合の良い展開も含めて)嫌な印象も無く、前半の継承の儀のウクラマトについては、素直に楽しむことができました。
(この設定自体に無理はある気がする、という問題も同時に発生してますが)ウクラマト自身がトラル大陸ビギナーみたいな知識しか無いので、それぞれの歴史に驚いたり、土地に反応してみたりすることで旅している感が出ていたものも良かったです。
元々「グラフィックアップデートした色んなマップ」を歩き回るのも楽しみながら進めたので、「次の景色、次の景色」と進めることができた素直なつくりの前半は、ストーリー自体の起伏はやや薄目ながら能動的に楽しみながらトラル大陸をゆっくり、じっくりと巡ることができました。
また、マムージャ族の「連王グルージャジャ」「ゾラージャ王子」「バクージャジャ」がどれもこれも物語のキャラクターとしては良くて、特にゾラージャは「マムージャ族」という外見ではあまり人気の出なさそうな印象からは考えられないほど魅力的に仕上がっていたと思います。ミステリアスな雰囲気や低音の声、羽飾りの豪華さ・派手さによるシルエット変化で、どのぐらい狙ったかは判りませんが人気キャラと言ってもいいぐらいには仕上がったのではないでしょうか。「後半どうなるんだろう!」と期待したものです。
気になったところ
……良いことばかり書いたのですが、気になる点が無かったといえばウソにはなります。
大半は【前半時点では(後半に回収するだろうと思っていたので)気にしていなかった】ので、他の箇所で気になった個所を列挙しておきます。
ここの見出しでは、大きく5点を挙げます。
「カットシーン多いな」
カットシーンが始まって、今どきのゲームとしてはやや長めの待機演出や間があってから「よっしゃ、次〇〇へ行こう」というだけ……そんなカットシーンが特に前半やたら多いように感じました。PS2~PS3時代の、少し進んですぐムービーみたいなゲームをやってる気分で、正直この点に関してはあまり褒められない状況だと感じています。
セリフだけで進めてもいいと思うようなシーンが多く、「またカットシーンか……スキップしても話わからんしなぁ、待つか」と、極々僅かなストレスが、少しずつ積み重なっている感覚であまり気持ち良くありませんでした。
「天候で見えない」問題
「ほかにも船があるようだが?」→霧で見えないぜ!
「見て!あの滝!」→大雨で見えないぜ!
(たまたまなんですが)道中こんなのばっかりで、これは別に黄金のレガシーだけの問題ではないんですが、おそらく渾身の画作りだったろう場面を見れないのは残念でした。
まぁそれも込みで思い出っちゃ思い出なんですが。
暗転するシーンが多すぎる
「騎乗シーン」「食べるシーン」「持ち上げるシーン」も大半が暗転で済ませれていて、そろそろここモーションで見てぇよな……とは思ってはいます。
※ただ、カットシーン自体何も変わってないわけではなく、演出面では技量・進化は感じます。前半と後半の移り変わりの、とあるシーンで、ウクラマトが涙を流すシーンは、タイミングも計算され尽くされていて「これこそカットシーンだよな」とは思いました。
ゾラージャの扱いについて(前半中心)
個人的には好きなのですが、自分の推測込みで好きになっているのでちょっと勿体ないキャラクターなんですよね。
「多分彼、この時こう考えていたんだと思いますよ」と推測・時に妄想ありきでキャラクター性がSNS等で拡張されていくのはキャラとして魅力的な証拠ではありますし、物語の位置上「語られない・知ることが無いキャラ」としてはアリとは思います。
例えば、外征を目指す理由について具体的に語られないことについて。
「父親が成し遂げた以上の事を成すために外征に行く」という推測はできるんですよ。そんなことはゾラージャの大量のフックに一つでも引っかかった人はすぐに思いつくとは思うんです。問題は「それぐらいしか手段考えられない程頭悪いわけではないよな?あるいは他の手段はもう実行済だったのか?それとも精神追い詰められてる?いつから追い詰められてるの?“平和ボケした国民を目覚めさせる”が建前だとしたら、どこから出てきた言葉なの?どうなってそういう思考回路に育ったの?何年前?決定的な事件は無いのか?普段コーナ兄さんとラマチは何を話していて、ゾラージャは何を聞いて育った?家族はこの辺り全く知らんのおかしくない?グルージャジャは何も言わんの?」とか、彼が心が擦り切れてしまっていたなら、擦り切れた過程を過去視なりなんなりで見せてほしいわけです。
「語られない事で完成するキャラクター」というなら食の試練でウクラマトかコーナとやっぱり組ませるべきだと思うんですよ。後半のウクラマトが彼を知ろうとするアクションが減るにあたり「一度組んでみても、やっぱり解りあえない」の衝突は一度必要だったと思うんです。
あるいは、度々強調されたけど特に劇中の衝突はなかったコーナとゾラージャで正面衝突してもらうとか、暁の面々と関わって心をケアしてもらうとか。
そして語られないのはゾラージャだけではありません。サレージャもです。
彼がいつからゾラージャの傍にいるのか判りません。何のために黄金郷にあやかりたいのかも、なんで鍵の存在を知っていたのかも何も判らず退場します。サレージャは「バクージャジャは始末せずに!」等と発言したりとか、明らかに「裏で画を描く側」だったわけですが、マジでそのあと特に何も起こらず試練に二連続で失敗して退場しました。あまりに不自然なので、この後のパッチやコンテンツで出番があると思ってはいますが……思ってはいるんですが、「後から出番があるから、雑に展開で処理されたんだろうな」ってプレイヤーに支えてもらう前提の脚本はどうだろうなーと思ったりはします。黄金のレガシーはこう感じることが多かった。プレイヤーに行間を読ませる造りなのではなく「10年やったプレイヤーなら、解ってくれるでしょ」っていう雑味が多い気がします。
その雑味も含めて嫌いではなかったんですが……そういうB級感ある味をFF14から摂取するとは思ってなかったので。
誘拐される話
ここについては特に擁護できる箇所はありませんでした。
ガチの「揃いも揃って馬鹿ばかり……」的なくだりだったので、多分紳士的推理シーンみたいなギャグ展開だったんだと思うようにしてます!
あと追跡は「改善する」のではなくて、まず大前提として「面白く」ほしい!!!!
プレイヤー側があまりにゲームに対して介入できなさすぎる。「ストレスしかないシーンから、ストレスを緩和しました」では「結局なんのためにあるのよ」でしかないのです。
ストーリーに没入させるための時間だというなら、せめて「見つかった後にリカバーできる方法がある」とか、かくれんぼ要素のあるゲームもう少しでいいので、真似て能動的な行動によって遊べる部分、「先回りして隠れる」とか「背中に張り付いて遊ぶ」とか増やしてもらえれば、今の「一定時間ストレスがかかるだけの罰ゲームタイム」から別な時間に感じられると思うんですよね……。
【個別の感想】3. 「ストーリー(後半)」
要所要所で盛り上がった個所もありましたが、一部は特に辛辣に書いてます。
良かったところ
- エバーメモリーの連続別れのシーン。風脈クエストの「最後のお客様」というセリフも泣いた
- エレンヴィルのしんどさ
- ラストバトルまでの展開。特にID100のBGM!!!!!!!!!!!!!
- サントラ買うよ!!!
- ファイナルファンタジーシリーズにおいて、「どストレートなファンタジー国家を3Dで描かれた」のも久しぶりで感慨深かったです(FF1オリジンは除外)
- オーティスとマムージャ(子供)の可愛さ
- ゾラージャの変化後のデザイン
- ヴリトラのシーンはヤバかった
- 細かい事考えると「?」な側面もゼロじゃないんですが(取り巻きのドラゴンは誰だ!、とか)頭空っぽのボス相手の集結シーンとしては、勢い的に最高の場面でした。
- エモさだけで言うなら、クルルのとこの一連のシーンが一番好き
気になったところ
- 西部のエレンヴィルとの二人旅
- エレンヴィルとはよォ!「列車が出るまで時間がかかるなら、サボテンダーバレーっていう遺跡があってさ」とかよォ!「グリーナーやってる最中に聞いた与太話があって、ここに来たら確認しようと思ってた場所があってさ」とかよォ!「エオルゼアとは違う種類のサボテンダーから取れる実が貴重でさ」とかよォ!「旦那には大切だった人いるか?ここには、皆が祈りを捧げてる場所があってさ」とかよォ!
「本筋と関係なく自由に西部劇の荒野を冒険できるシーン」として描ける話が他にあっただろうがよォ!!! - あのとってつけたような「悪人を倒そうぜ」みたいな話、サブの連続クエストとかではなく、本筋に入れたの何……?
- 唯一の「冒険者として自由な旅路のシーン」を、この「安っぽい悪徳警官の退治する」話で消費されたの、何……????
- 「本筋と切り離して、一休憩入れる的な話」という側面は良かったと思います
- なお、「エスティニアンの扱い」については、ギャグに振りすぎじゃないかと思いつつ、でもそれで元気でいてくれてるなら良いか……という感情もあるので置いときます
- エレンヴィルとはよォ!「列車が出るまで時間がかかるなら、サボテンダーバレーっていう遺跡があってさ」とかよォ!「グリーナーやってる最中に聞いた与太話があって、ここに来たら確認しようと思ってた場所があってさ」とかよォ!「エオルゼアとは違う種類のサボテンダーから取れる実が貴重でさ」とかよォ!「旦那には大切だった人いるか?ここには、皆が祈りを捧げてる場所があってさ」とかよォ!
- 爆弾列車の「コーラス曲」
- 好きな曲ではあります
- でも「ゾラージャと決着つけに行くんだ!」「ナミーカどうなった?」「エレンヴィルの故郷は無事?」みたいな緊張感があるタイミングだったので正直拍子抜けした
- 「えっ、そんな明るい場面ではないよね?なんか読み飛ばしたか?」と一瞬戸惑った
- ケテンラムの「無能さ」があんまりすぎる
- 絆石を一人だけで100年近く管理してたすげー男
- 寿命大丈夫?と思ったけどここはさすがに設定あると思う
- 少なくともサレージャにバレていたので、管理体制としては脆弱だったんだと思う
- 連王の親友ポジで「子供達を頼んだ」→「任せろ」からフェードアウトしたすげー男
- あまりに描写がなくて、「多分こういう事してたんだろう」とユーザーが忖度して考えないといけないキャラクターになってる
- ここだけ切り取ると本当酷いけど、ケテンラム自体が本当大したことしてないので仕方ない
- (おそらく)アライアンスレイド等の後続のストーリーのために出てきたと思われる、メインにちょっと顔出ししただけの男と邪推してます
- 仮にこの邪推が外れていたなら、「あぐらで座り、背中を向け「任せろ」と言ったあとの活躍するシーン0」とか脚本バグってることになるので、それはそれで考えたくない……
- 絆石を一人だけで100年近く管理してたすげー男
- アレクサンドリア=(恐らく)エメトセルクの語った「驚く技術が育った鏡像世界」であったら、という件
- ここは「プレイしてて(あれ?)と気になったこと」で「嫌だったこと」ではない
- 鏡像世界間を移動するパターンを知ってて、魂を蓄えちゃう世界を知ってて、その上でアシエンとして無視してたってことになって、いいんだっけ?
- これを知ってて、「クリスタルタワーの技術すげぇ」みたいに言ってたの何だっけ?(これは時間移動の話だけだったっけ?)
- エメトセルク自身が「どっかのアシエンが雷の氾濫起こしたら、驚くべき文明が興ったんだぞ、私は見てきた」って言ってたってこと?セリフのニュアンス大きく変わった気がするんだが、何か勘違いしている?
- ゾラージャ
- なんでサレージャを斬ったんですか?→不明
- なんでアレクサンドリアに攻め込んだんですか?→目的は説明されたが、そこに至る過程・思考はほとんど説明されてない。あの扉入ったタイミングでサレージャ(部下)を切り伏せておきつつ、一人でアレクサンドリアに攻め込もう!って判断ヤバくないか?もうトライヨラに反撃する気満々だったんだろうか?
- なんで子供作ったんですか?→説明されてない。相手も。
- 30年待ったわりに王にもならず外征にも行かずウクラマトも倒さず帰っちゃうの何?→「全力で戦える面子」ならそこにいたのに……
- 結局、彼の思想の大枠しか理解できてない状態でボス化してしまったので、行動に対して共感し辛くなってしまった(討滅戦の瞬間でちょっと判るぐらい)
- 好きだったキャラだからこそ、もう少し1,2箇所でいいから丁寧に描いてほしかったなーという感じ。尚カットシーンの迫力はあって凄い良かったです
- ウクラマト
- 苦手だよっていう方も多いの知ってるので言及し辛いんですが、ウクラマトは前半と後半でかなり雰囲気が異なると思ってました
- 「知ろう」という姿勢の健気さ・愛嬌が無くなり、押しつけがましくなる(その意図が無かったとしても、相手を最終的に叩きのめす為の余興になっている)
- 「知ろう」は必ず「解決策を模索しよう」とセットだった。双頭の教えのマムージャ族相手ですらその姿勢は崩さなかったが、後半はほぼしてない(「知ろう」=「疑問を解消しよう」に変化してる印象)
- 成長が急すぎる
- ウクラマトわりと好きですが、急にヒエンみたく「覚悟決まってるよ!」「王とはこういうものだ!」みたいな立ち位置は、ちょっと無理があったように思う
- どうだったら良かったんのか……というのはまとまっていないです
- 「ゾラージャの事は知ることができなかった(あるいは知ろうとしなかった)」結末について
- ここは仕方無いにしても、もう少し魅力的に描けたよね、という話
- 「対決!トラルキッチン!」の食の試練等、機会はあったはずで、対立構造や、思想の距離感を丁寧に描かれていればと思う……
- 苦手だよっていう方も多いの知ってるので言及し辛いんですが、ウクラマトは前半と後半でかなり雰囲気が異なると思ってました
私の勘違いも大いに混じっているかもしれませんが、気になった個所はこんな感じでした。
- 正直、「後続のコンテンツ」や「秘話」の為に足した・あるいは引き算した要素多いでしょ、と思う程度には、歪な構造に後半は特に感じました。
- 「まぁそれでも良いっちゃ良いんだけどね」とは思ってますが……
それでも、最初に書いた通り「最高の時間!」と書くまで楽しめたのは、瞬間瞬間の声優さん達の演技だったり、例えばナミーカが老婆に変わる演出だったりの、「瞬間瞬間でシーンを見た時のエモさ」を楽しもうと心掛けたのもあります。尺の足りない外伝作品を楽しんで読むぞー!という気持ちですね。そういう面では良かった場面もやっぱり、思い出しても多かったです。
個人的に、一番気になったこと
黄金のレガシーで最も気になっている点は、メインストーリーにおけるゲーム体験のうちカタルシスを感じる場面、ほぼウクラマトが全て消化してしまった事です。これこの先もこういう10年ってことなんでしょうか。(というのは流石に皮肉が過ぎると思うものの。)
ラスボスとの対峙シーン自体は悪いものじゃありません。バクージャジャとの一騎打ちも、ゾラージャとの対立もまぁ(そんな急に強くなる?という突っ込みは野暮だとして)良いでしょう。
しかし、全部が全部ウクラマトを主役ロールに配置した結果、主人公中心でカタルシスを感じる場面がほぼありませんでした。簡単に言うなら、「いくらなんでも後ろで待機しすぎ」という状態です。
暴力…暴力で解決させてくれ!!とまでは言わないんですが、せめて「一個でいいから俺の力で解決させてくれ!!俺の物語だろ!!!」という気持ちはさすがに少しはありました。
物語の要所要所、前半はともかく後半もウクラマトがほぼ全て解決せざるを得ないストーリーだったのは理解していますが、「主人公=プレイヤー」のゲームにおいて、このゲーム構造になってしまっているのが、いくらなんでも前半か後半どっちかぐらいはなー、と思ってました。
ゾラージャを打ち負かしてプライドをへし折ってしまう場面が(その事後のフォローも含めて)あっても良かったでしょう、強者と一対一で戦えずともアレクサンドリアによるトライヨラ侵攻の際に大量に敵を倒す場面もよかったでしょう、エレンヴィルとの二人旅の時に巨大な敵と戦うもよかったでしょう。OB役に回るなら、いざという時に武器を抜くのは師匠の役と言わんばかりに戦う場面があってもよかったでしょう。
ウクラマトとの同行シーンがすっっっっごく多かったのですが、ここのうち何処か一つでも、別な適役と同行する場面が脚本上存在し、ウクラマトを介さず主人公との対峙や声掛けがきっかけで救われるような、あるいは改めて距離を置かなければいけない事を理解する、敵役の誰か一人と理解しあう場面があっても良かったでしょう。
もう一度書きますが、「ほぼほぼウクラマト」なのが問題だと思うのです。数年に一度お祭りのような大型メインストーリーのパッチ更新の時に、主人公を中心にしてカタルシスを得るストーリー体験が無いのはちょっと衝撃でした。
後半の、鏡像世界で暁が集まり始まる場面ですら、「ウクラマトと常に一緒」「いざという時動くのはウクラマト」「決断もウクラマト」で、どこか一か所か二か所でよかったので、何かは欲しかったなーという感じです。
個人的には、「前半の旅の中、どこかの試練の最中、単独行動していたら敵役側キャラ(サンクレッド達含む)との邂逅や会話シーン」があると、グッと引き込まれたかもなぁと思いました。
途中途中で各キャラが何を思っていたのか、バクージャジャもゾラージャも継承の儀の最中、何も感じてないならそれはそれで互いの価値観を聞かせて欲しかったんですよね。
【個別の感想】3.ゲーム性
ここは簡潔に書いていきます。とにかく楽しかった!!!です。
- 全体的に難易度上がった?
- 「良い意味でのストレス」感は感じた!
- IDのボス(100IDの1ボス、エキルレ遊園地の1ボスとか)いつもよりシビアな判定が一部あるなとは思った
- 現状だと、周回してないからかもしれないが、それでも楽しめた
- 今回の討滅戦、面白かった
- コンサポで楽に行けるのも、また良い感じ
- ID、モブハント、FATE辺りは正直、変化が欲しい
- MMOでは設計し辛いのは理解してるのですが、「裏技的な、ゲーム内のズル」みたいな要素があると良いなと思ってます。スキップ機能的な。チケット制とかではなく、1日に1回敵ボコボコにできるような感じの
- 討伐手帳復活させません?
- 一人で初級~上級モブハントする時間がわりと好きなので、何となく
- モンスター図鑑(ロア)をちょっと加える程度でもいいので、あるとうれしい
- 魔獣使いにもこの手の変化は期待してます
- なお、グラフィックに関しては既存マップの変化も大変良かったです
FF14の、次の10年
メインストーリー
「光の戦士級の善性を育てるストーリー」にチャレンジしたのは、素直に凄いと思いました。
しかし、このチャレンジを続けるなら、少なくとも改善は欲しいなーという感じです。あとは上手く言えませんが、”メインストーリーの省力化”もいいのでは?とも思いました。
- 「後方で師匠役」はジョブクエストやロールクエストに任せる
- 「後方で師匠役」をメインでやるなら、「メインストーリー」というコンテンツ自体を見直し、短めにする
- 代わりに、(本当に例えばの話)「ストーリー」と「クエスト」のようにメインに分割してしまって、クエスト側では自由に新マップや新集落を訪れマップ毎に用意されたストーリーをプレイヤーがクリア→一定数のマップクリア後に「ストーリーが進展」みたいな造りにするとか、構造自体を見直す
- キャラクターの深堀りも「キャラクタークエスト」のように別にあっても良い、冒険とストーリーを100%連動させる必要もない
……とか。いや、アイデアというよりは、「メインストーリーに力を入れすぎて破綻してる箇所ありそうなんだよな」と感じたので。今回のメインの”隙だらけ”については、やりたい事を詰め込みすぎているのかは判りませんが、あるいは世界観が膨大過ぎて大変だったのか、舵取りがしっかり取れていないようにも見えました。
「過去のストーリーとの矛盾が無いようにするチェックもあるし、先々これから公開されるコンテンツへの導線も引いておかないといけないし、整合性が取れなくなってきてそうで大変そうだな」と勝手に邪推もしています。
最後に「冒険の進化」を、どこかのタイミングでもう一度チャレンジしてほしい
色々書いてはいますが、プレイ中は最初のまとめに書いたように、最高の時間でした。
手放しではないにしろ、でも書いてきた「気になる事」に目を瞑れるぐらい楽めたのも事実なのです。
どうしても感想を全部書いておこうとすると、「気になったところ直してほしい」みたいな意見になりがちで、この記事もそう見えると思います。でも本来の意図は「面白かったよ!」が中心なので、最後はちょっと違う方向性でまとめておきたいと思います。
細かい不満はあれど、楽しさで吹っ飛ばされたというのが大枠の感想です。どちらかといえば「楽しさで吹っ飛ばしてくれる」その方向を突き詰めてほしいと思ってます。
前半の「継承の儀」が退屈だという意見も見ましたが個人的には新生編を思い出していて、一冒険者感を僅かずつ感じることができて楽しかったです。
一つ一つの集落や部族と親交を深め、小さな問題を解決し、仲良くなり、コミュニティ・絆を強めていく。定番のテンプレ展開ですが、シナリオ自体はそれでもいいです。それをこの先も「もっと楽しい冒険・ゲーム体験」に昇華していってもらえたら、と思います。
例えば、先に書いた「追跡」も「改善ではなく、面白くする」という方向で、ゲーム体験一つ一つにもう一度熱量を加えていってほしい。カットシーンも全部とは言いませんが、流すなら拘りのモーション一つでもほしい。
ストーリーの流れについては色々気になる箇所はありましたが「魅力的で、もっと知りたいというキャラクター」「美しい景観」「最高のBGM」は揃ってるわけなので、楽しくならないはずがない。
グラフィックに熱を注いだ次は、それを彩るゲームメカニズムの進化に手を加えてほしいのです。
もし1プレイヤーとして、運営にチャレンジしてほしい箇所を望むとしたら、「シナリオ構造のマンネリ化脱却」よりも「冒険者ライフのマンネリ化・テンプレ化脱却」を目指してほしいな、もっとそこに熱い熱い熱量をぶつけて見たことのない世界に連れて行ってほしいな、と思っているので、そこを書いて〆たいと思います。